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好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
「連が甘党なの知ってる? あの人がお菓子を切らしてるのなんて見たことない。アタシがちょいちょいつまみ食いしても、なくならないくらいには買い溜めして、あちこちに隠してる」
「れ、連様が、甘いもの……」
 甘党に関してはそれほどショックを受けないだろうと思ったが、花梨は思った以上にショックを受けている様子だ。そんな彼女を見て、昔クラスの女子達が、イケメンが甘党だったらギャップ萌えするか、それともドン引きするかで言い合いしていたのを思い出した。どうやら花梨は、ドン引きする派らしい。

「そう、特にチョコレートが気に入ったらしいよ。それも甘ったるいホワイトチョコとかハイミルクとかね」
「そ、それはあなたが……! それよりも、連様のあのお姿の説明していただけませんか!? あんなに真面目だった連様が、ふ、不良に……」
「そりゃ見た目は不良そのものだけど、中身は生真面目なままだよ。あれは連が東京で穏やかに過ごすために必要だったの」
「どういうことです?」
 花梨は訝しげな目で未亜を見る。未亜は気にすることなく、口を開いた。

「アタシは歌舞伎とか日舞とかよく分かんないけど、その界隈にいるアンタなら、連にどれだけのファンがいるのか分かってるでしょ? ファンやアンタ達に気づかれないように、連は髪を染めてサングラスをするようになったの。ま、アドバイスしたのはアタシだけどさ」
「じゃあ、あなたが言わなければ、連様はあのような格好をすることはなかったのではないですか?」
「それはどうだろう? あの人、東京に来る時あんな感じの変装してきたから」
「連様が、自ら……そんな……」
 ここまで動揺する花梨を見て、彼女がどこまで連を美化……というより、自分のイメージを押し付けているのか気になってしまった。きっと彼女は連自身を知ろうともせずに好意を寄せていたのではないだろうか? そう考えると、収まってきた怒りが再び沸き上がって来る。
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