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好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
(カッコ悪いな、アタシ……)
 恥ずかしくなって俯くと、今度は抱きしめられてしまった。
「なんでうちがいーひんようになるかもしれへんと考えたのかは分かりまへんが、うちはずっと姫さんねきにいてはる。どこにも行きまへん。そやさかい、安心しとぉくれやす」
 どこまでも優しい連に罪悪感や感謝がこみ上げ、心がぐしゃぐしゃになる。連に抱きついて幼子のように泣きじゃくった。連は黙って背中をさすってくれる。

「連、なんでそんな優しいの? アタシなんかより、連の方がよっぽど神様だよ……。アタシ、連にやめろって言われるまでずっと躯売って稼いで、こんなに愛されてるのに好きになれなくて、ホント、さいて……」
 これ以上の言葉は、連の唇で塞がれて出てこなかった。目を閉じる暇もなく、連の長い睫毛がよく見える。
(まつ毛長くて、女の子みたい……)
 呑気にそんな感想を抱いていると、唇が離れてき、連は柔らかな笑みを浮かべる。

「誰がなんと言おうが、姫さんはえらい素敵な人どす。昔のことはどうでもええんどす。今は、うち以外に抱かれてへんやろう?」
「そういう問題?」
「そんなんにしときまひょ」
「何それ」
 未亜が苦笑気味に言うと、やかんが甲高い音を出す。連はやんわりと未亜の腕を解くと、お茶を淹れてくれた。スマホを操作すると、未亜が満足するまで寄り添ってくれた。

「ね、今夜ここに泊まっていい?」
「えぇ、姫さんならいつでも歓迎どす」
「アタシの部屋に泊まるのはダメなのに、アタシが泊まるのはいいんだ?」
 前回帰られてしまったことを思い出し、意地悪に笑ってみせると、連は言葉を詰まらせ、視線を宙に泳がせた。それがおかしくてクスクス笑うと、連は困惑した様子で眉を寄せる。
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