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不埒に淫らで背徳な恋
第6章 【守るべきものがある人生は幸福ですか?】

良かった……これが望んだ世界。
大丈夫……歩いていける。
それぞれの時間が動き出してる。
もうすぐ三十路を踏むと言うのに婚活にも興味ない、恋愛より仕事が好きな私は当分お独り様なんだろう。
最近、言い寄ってくる人はほとんど年下ってのも結婚出来ない理由なのかもね。
本気にはなれない。
踏み込めない。
傷付くのが怖いんじゃなくて、
傷付くほど愛せない。
他の何も要らないくらい熱くなれない。
きっと私、一生引きずって生きていきそう。
「この企画が成功したらご褒美ください」
あれ、何か聞いたことあるセリフだぞ?
新入社員の月島くん。
勤務態度も真面目で何事も卒なくこなすから企画を練らせて少し任せてみたらこれだ。
二人で打ち合わせ中、突然言われたことに何のリアクションもなく「どんな?」と聞き返してしまう私は出してきた企画書に目を通している。
「休日…デートとか」
「無理」
「え、早っ!」
「この企画書じゃデートは出来ないわ」
「え、どの辺がダメですか?」
筋は良いんだよ、言わんとしてることはわかる。
これ、デートしてあげるって言ったらもっとアイデア浮かぶのかな?
私が想像も出来ないくらいな宝庫なのかしら…?
「わかりました、修正してみます」
「あの、月島くん」
「はい」
「休日デートは無理だけど…でも絶対に任せて良かったって思えるのは月島くんだから…信じて待ってるね?」
一瞬驚いてフッと笑ってくれた。
「その断り方ズルいですけど……そういうところも含めて惹かれてるんで」
「あ、ハイ……ありがとうございます」
冗談なのかよくわからないところもあるけどとりあえず一線は引けた…?
見た目は違うけど話し方や言葉のチョイスまで何かと似てる。
だから嫌でも思い出す。
そして、とうとうみなみちゃんに言われてしまった。
「佐久間マネージャーは年下キラーです」
「え、何それ……」
「それだけ面倒見が良いってことなんですけど、男子は時折見せる隙きや笑顔のギャップにヤラれるんですよ?後、無意識なんでしょうけど自然なボディタッチも相当弄んでます」

