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不埒に淫らで背徳な恋
第7章 【愛欲に溺れるのは不修多羅ですか?】

「机汚いって言われるの待ってる時があります」
「おい」
「他の人には見せない一面な気がして勝手に僕だけの特権だって思ってました」
確かに田中くんにしか言わないわ。
わざとなのも気付いてたけどね。
あ……真っすぐ見られてる。
「外から帰って来た時のお帰りの笑顔見たさに走っちゃいます……珈琲飲んでる時目が合ったら微笑んでくれるし曲がってたネクタイ戻してくれたりほっぺ抓ってきたり触ってきたり…」
「ちょっと、一旦落ち着こうか」
ってまた目の前までキターっ!!
不意打ち過ぎてガード出来てない。
「全っ然諦められないじゃないですか…!ずっと好きにさせられる…!どんどんどんどん募っておかしくなりそうだ」
こんなギラギラした瞳……見たことない。
真剣に言ってくれてるんだ。
「言っときますけど今の顔も相当キテますから」
「え…?」
「僕に告白されて動揺してる顔……絶対振るくせに真剣に向き合おうとしてくれてる顔」
「よまないでよ……調子狂う」
そっと目を逸らした。
突然過ぎて動揺してるのモロバレじゃない。
顔が熱くなる。
なのに田中くんは私の頬に触れて顎クイをし、真っすぐ見つめてくるのだ。
「調子なんて狂ってしまえ」
初めて見せたSっ気にゾクッとした。
ヤバい……これは本当にキスされる……!
唇だけは死守しなければ…!
「ダメだよ田中くん…!ほら、皆も居るわけだし?」と顔ごと雑魚寝しているリビングの方向に向かせた。
ジーッと見た田中くんは「寝てるじゃないですか」と再びキスを迫って来る。
間一髪でまた口元を掌で押さえた。
悲しそうに離れてく顔は何とも言えない。
「ごめん……今ここでキスしたら私はこの先田中くんの上司で居られなくなる」
ズルい逃げ方でごめんね。
ダメな上司でごめんなさい。
でも絶対、ここで流されたり応えてしまったらダメだと思うから。
「答えはNOなんですよね、わかってて言ったんです……どうせなら思いきり振られようって」
「そっか……じゃあ、ちゃんと言うね?」
「嗚呼、待って…!」
「え…?」
さっきのSっ気はどうした!?
両手握られ頭を垂れている。

