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不埒に淫らで背徳な恋
第7章 【愛欲に溺れるのは不修多羅ですか?】




「田中くん……なぁんで私なの」




周りに若くて可愛い子たちがたくさん居てキラキラしてるのに。
寝てるんだろうと独り言のように声に出し前髪に触れた。




あ……結構睫毛長い。
田中くんもイケメンだよなぁ。
可愛い系って言われてるけど、さっきみたいにキリッとすればなかなかの顔立ちだよねぇ。




「好きな理由…ですか?」




「え、起きてるなら離れてよ」




「嫌です」




更にギュッとされて戸惑う。
だって今、下着とパジャマ一枚だよ!?
思いきり胸の形堪能してるよね?
そのまま見上げないで、顔が近い。




「もう酔い醒めてるでしょ?」




「いえ、まだ酔ってます」




「あのね、田中くん…」




改めて言葉を選び出したら察したのか態勢を戻して正座した。
自分も態勢を戻して向き合う。




「朝一番の笑顔が好きです」




「え…?」




「ミーティング終わった後の微笑んでくれるやつも大好きなんです」




な、何を言い出すかと思えば。




「以前は失敗するたびに優しく指導してくれていつもより声かけとか後のフォローしてくれたりとか嫌な顔ひとつせずに接してくれて、出来て当たり前なことでも欠かさず褒めてくれた……認めてくれたのが嬉しくて」




「そ、それは上司としてで」




「わかってます……他の皆にも同じ態度だって。勘違いしたらダメだってずっと言い聞かせてました。でも日に日に想う気持ちが強くなって、こんな僕でもチーフに推薦してくれて…今じゃ失敗しないように先回りしてフォローしてくれてるじゃないですか……どこまで惚れさせるんですか?本当勘弁してください」




「先回りなんかしてないよ、田中くんがちゃんと気付いて報告してくれるからだよ?大丈夫、やれば出来る子だもん」




あ、今のは子ども扱いしちゃったかな?




「だから僕、考えて考えて辿り着いたんです」




「え、何を…?」




急に真面目な顔……びっくりするじゃん。




「やっぱり告白しないと前に進めない」




そっか……そういうことか。
だから今日はやけにくどいのね。
いや、ごめん。
それでも私は…………




「実は怒ってる時の顔も好きです」




「え?まだ続く?」












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