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不埒に淫らで背徳な恋
第1章 【心の歪み、気付いてる?】




「瑠香……何かごめんな?母さんはああ言ってたけど俺は本当、瑠香の気持ちを尊重するしちゃんとわかってるから」




窓の外を見つめながら返事もしない。
話す気力もなかった。




「怒ってる…よな?」




不穏な沈黙。
静かな空間でシートベルトを装着する音が聞こえた。




「ごめん…こういうのは」




「出して」




「え…?あ、うん…」




言い訳とか聞きたくない。
言ってなかった。
ただその事実だけ。




一言も話さず家に帰ってそのまま寝た。
歯車が狂い出したのはきっとこの日から。




別に責め立てることでもないし
誰が悪いわけでもない。
始めからボタン掛け違えてたのかも。
何かどうでもよくなる瞬間ってあまりにも呆気なく訪れるんだね。




「行ってきます」




早めの出勤日、玄関先まで稜ちゃんを見送る。
いつものハグもない。
顔が近付いてキスされそうになった。




咄嗟に避けた身体が全てを物語っている。




傷付いた顔しないでよ。





「今日、一緒に帰れる?」




「え…?」




こんな状態なのに待ち合わせするの?
気が重い……




「待ってる……来るまで待ってるから」




そういうとこだよね。
こっちは待たせてる身だから済ませておきたい仕事も翌日に回したり時間調整しなきゃならない。
1日の最後が憂鬱でたまらないのにこっちが身を削ることになる。





でもそれが歩み寄りだって思ってんでしょ?
稜ちゃんなりに仲直りしようとしてくれてるのは肌で感じてる。
素直になれないの……もう少し時間が欲しいのにそうさせてくれないのは昔からだよね。




少々強引なところとか好きだったけど……
たまに噛み合ってないの、気付いてる?




「わかった、連絡するね」




本音を押し殺して良い子ぶる私も変われないな……
喧嘩とか面倒だからっていつから思うようになったんだろう。
どちらかが折れれば丸く収まる。
また今回も私か。




「仕事で遅くなっても気にしなくていいから。ただ俺が一緒に帰りたいだけだから」




「うん……行ってらっしゃい」




その気持ちの押し付けからたまらなく逃げ出したくなる時がある。
私はいつまで笑顔で居れるのかな。












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