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不埒に淫らで背徳な恋
第7章 【愛欲に溺れるのは不修多羅ですか?】
「うーわ、そう言う時点で何もわかってないね」
朝から何なのこの会話。
しかも相手は月島くんなのにツンケンした態度。
これじゃ可愛げのないお局様だよ。
視線を移すとやっぱりムッとしてる。
ふくれっ面の彼はとてもレアだけど大人気ない私が悪いよね。
テーブルに頬杖つきながらってとこがまた素直になれない……難しい。
「ごめん……こんなこと話したい訳じゃないのにね」と自己嫌悪。
ピアスを触りながらメール画面見ているフリ。
ヤバい……ミーティング集中しなきゃ。
「その角度で見つめられるのも良いですね、グッときます」
ん…?月島くんってこんなキャラだっけ?
もしかして今まで猫被ってた!?
二人きりになると急に人が変わる。
「ったく……」
呆れているのに「そういう顔もそそられます」とか言ってるし。
彼の目的は私の頭の中を占領することらしい。
それは無理だよって忠告してるのにこれも長期戦でいくみたいで背筋がゾクッとした。
「今の環境変えたくないですか?」
「だからってどうしてキミなの?」
「変えてあげたい……化けの皮剥がしたくて仕方ないです」
「化けの皮!?失礼な…」
「可愛かったですよ?あんなキス顔するんですね…」
恐るべし月島…!!
耳まで真っ赤ですよ?って知ってるわ!
年上からかうと痛い目にあうわよ?
叫びたい想いを隠してひたすら悶絶中。
「潤してあげたい……ベットの上で」
囁くように言われた一言が脳を駆け巡り、思わず顔を上げ見つめ返す。
あまりにも真正面から受け止めるので意外な反応だったらしい。
月島くんだから心に響いたのかも知れない。
きっと多くの女性が好きな相手にそう言われると骨抜きになるのではないか?
瞬時に字体とバランス、響きを整理する。
パチン!と指を鳴らした私にキョトンとしている。
「それ、良いね!キャッチコピーこれでいこう!」
イメージとしては月島くんのように年下男性。
新商品のボディローション、ちょっと大人向けで売り出したい商品でパッケージデザインも悩んでたところ。
思わぬところでアイデア有り!