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不埒に淫らで背徳な恋
第8章 【本能のまま乱れ咲くのは愛と呼べるでしょうか?】




戻れるかな…?戻らなきゃね。
精一杯気持ちを伝えてくれてありがとうって素直に思ってるよ。
何となく気付いてて……放置して……
傷付けてしまったのは事実だけど。




昨日そんなことをメールしようかと悩んだけど結局止めた。




「ごめんね……これからもマネージャーとして支えていけるよう頑張るから」




議事録を打ち終えてちょうど話せるタイミングだったから小さくそう伝えた。
直接言うってことがせめてもの誠意だと思ったから。




「はい……でも、あんなマネージャー見れたのはラッキーでした」




「え?」




「初めて人間らしいとこあるなって」




「今までの私はどう映ってたのよ」




「完璧な人…です。でも違ってて安心。けどこれからはあんな脆いとこ、好きでもない男に見せちゃダメですよ?」




「はい……肝に銘じておきます」




「僕の方こそいつも通り接してくれて嬉しいです……大人だな〜もっと好きになったって言ったらどうしますか?」




私にだけ聞こえるトーンで会話してるから変に怪しまれないかな!?
見つめ合うのもおかしい。
真っすぐ前だけ向いて。




「丁重に断る」




「プハッ!それでいてこそマネージャーですね、これからもご指導宜しくお願いします」




隣で軽く頭を下げてくる月島くんにどう返すべきか考えてるうちにニッコリ笑顔まで見せてくれた。
意外と手強い……かも。




真っすぐ前を向いてお互いパソコンに目を落としながら作業していて、静かにする会話を誰にも聞かれないよう楽しんでいる。




「すぐ忘れるのは無理だと思うんですけど……どうか、幸せに。いや、幸せになってもらわないと諦めつきません」




カシャカシャとキーを打つ手が一瞬止まってまた動き出す。




「そうね、もしそんな時が来たら……頑張って勇気出して素直になってみるわ」




「素直になれない相手だったんですか?」




「ううん、むしろ逆……相手が素直過ぎていつの間にか手玉に取られていたくらい」




「うわ、そんなマネージャー見てみたかったです。凄いな、その人」













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