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不埒に淫らで背徳な恋
第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】

ゴールドベージュのタイトな膝丈ワンピースドレスに身を包み、とあるホテルのワンフロアを貸し切った会場に足を運ぶ。
上半身はノースリーブで同色のシフォンレースがあしらってある。
髪型は美容室予約して可愛く編み込みしてもらっちゃった。
クラッチバッグを手に颯爽と歩いていると誰かに呼び止められる。
「佐久間さん?わぁ、また一段と美人になってる!」
「え、あ、小林さん、お久しぶりです」
小林さんとは大阪支社の営業で表彰の常連さんだ。
古くからお互いをライバル視してきた仲だが歳も近くて何度か飲みに行ったこともある。
確か、2つ上だったかな。
「活躍は聞いてるわよ」なんて言われて少し話し込む。
そしたら続々と参加者が来場して来て更に何人かに声を掛けられた。
本社で新人研修をしだしてからかなり顔を知られてる。
社内ホームページにも研修風景載せちゃってるしね。
だからか、講師の一人として気軽に色んな人から話しかけられるように。
「佐久間さんですよね!?うわ〜やっと会えました。名古屋支社の土屋です」と握手を求められた。
初対面で馴れ馴れしいのは大抵同じ営業課だろう。
どんな時でもフルスマイル出来るのは培ってきた営業力。
嫌な顔ひとつせず接せれる。
「初めまして…ですよね?東京支社の佐久間です、宜しくお願いします」
「あの、この後なんですけど予定あったりしますか?皆で飲み直したり…」
「あ、すみません、今日は予定が詰まってて」
「またまた〜!断り方も慣れてますよね」
おっと、これは厄介なのに捕まったか?
引き下がらないタイプだな。
営業課なら致し方ないか。
その辺はあの手この手で駆使してくるよね。
「本当に行きたいなら私から誘いますね」
逃げも隠れもしないで正面からぶち当たってあげるから営業力見してみなさいよ…って思ったのに横からさっきの小林さんが助け舟を出してくれた。
「あの、佐久間さんはうちら女子会に強制参加なんで次の機会にしてや」
わ、出た…!関西のイントネーション…!
普段から気をつけてるみたいなのにコレが出てくるのは怒っている証拠だな。

