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不埒に淫らで背徳な恋
第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】

その気迫に負けたのかハハハ…と立ち去った。
小林さんの端正な顔立ちからは想像も出来ない関西弁はかなりのギャップで私的には胸キュンポイントだ。
「あれ、もしかして私邪魔した?行きたかった?」
ポーッと小林さんを見ていた私に慌てる姿も可愛くて思わず笑った。
「ううん、助かった。ねぇ、今の関西弁凄く好き…格好良い」
「ここぞという時しか使わんよ」
その時小林さんの携帯が鳴ってごめんね…と離れた。
少し会話が聞こえてきたけど、お子さんかな?
旦那さんに早目に寝かしつけてねとお願いしてた。
小林さんはこう見えて二人の子持ち。
在宅ワークしている旦那さんの理解ありきで今の私が居るんだって言ってた。
ハイハイ…と適当に相槌を打っている左手の薬指には結婚指輪がキラキラと光っている。
微笑ましく眺めていたらすぐ隣で「お待たせ」と声がして身体が一瞬固まる。
声を聞いただけで振り向かなくともわかる。
腰に回す手を上手く払い除けるも強引に引き寄せられた。
仕方なく顔を向ける。
見上げると愛おしい横顔。
「ちょっと……人目があるのよ」
久しぶりに会えたというのに可愛くない態度を取る自分がもどかしい。
「今日の瑠香さん……あまり見られたくない」
「は?」
「さっきも早速口説かれてたでしょ?ドレスアップ…だから嫌な予感したんだ」
唇尖らせて子供みたいに拗ねる顔を覗き込む。
目が合ったら二人だけがわかる合図。
言葉にしなくても通じ合える。
口角を上げて微笑んだら機嫌直ったの?
可愛いね。
まだダメ……あの瞳しないで。
「あ!佐野っち!久しぶりー!!」
良いタイミングで東京支社チームが合流してくれて私たちは距離が離れた。
会場は本社近くのホテルだけど式典も兼ねているので東京支社もフル参加だ。
久しぶりの再会にもみくちゃにされてる佐野くんを横目に皆から離れる。
顔見知りな運営チームに声を掛け、謙遜されたがジッとしてられない性格で手伝い始めた。
段取りはすでに把握済み。
手伝える者が手伝えば良いと思うし、早く終われば余裕も出てくる。

