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不埒に淫らで背徳な恋
第3章 【破滅的な愛でしょうか?】

こんな早く起きることないのに。
普通の挨拶で強張る。
「寝れなかったの?」
「う…ん、早く起きちゃった」
「体調は大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「あまり寝れてないなら横になってなよ、朝ごはん作ってやるから」
どうして……?
稜ちゃんが優しい……調子が狂う。
もしや挽回しようとしてる……?
それとも、何か勘付いているの……?
胃腸に優しい朝食を食べながら二人で過ごす休日。
洗濯や掃除……日頃の家事をしながら極力向かい合うことを避けた。
ゆっくりしてなよ…って言うけど動いていた方が楽。
「瑠香、携帯鳴ってるよ?」
ヤバっ…!掃除機で気付かなかった。
ここで絶対に焦りを見せちゃダメ。
落ち着いて受け取る。
え…?田中くん…!?
何故かホッとした。
だよね…?かけてくるはずない。
そこはちゃんと線引きしてくれるはず。
凄く落ち込んだ様子の田中くん。
またか……どうしたの?
え、動画見た!?嗚呼……あれか。
昨日のやつね。
うわ、めっちゃ反省してる。
シラフに戻ったのね。
みなみちゃんにこっぴどく説教されたみたいね。
かなり面白そうに撮ってたけど。
大丈夫だよ、気にしてないし。
それより体調大丈夫?
あんな酔い方しちゃダメだよ?
でも楽しかったよ、普段見れない田中くん見れて。
だけど他の上司や会社の人にしちゃダメだからね?
私ぐらいにしときなね?
はい、反省してるなら明日から仕事で挽回してください。
期待してるよ……田中くん。
わざわざ電話ありがとね。
明日また会社でね?
僕クビですか?って笑える。
私にそんな権限ないわ。
ビクビクしちゃって面白い。
色んな面があって伸びしろだわ。
育て方次第で上手く成長してくれるといいな。
「昨日、その子介抱してたの?」
電話を切った後、稜ちゃんが聞いてきた。
「うん……珍しく酔っちゃってね。後で同僚の子に色々失態を聞いたみたいで謝罪の電話…」
「瑠香は面倒見が良いね」
「え?そんなことないよ……まぁ、でも目の前でベロンベロンになられたらね」
「自分もあれだけ酔ってるのにほっとけなかったんだね」

