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不埒に淫らで背徳な恋
第3章 【破滅的な愛でしょうか?】




「酔ってても記憶はあるから、私」




「何か、瑠香が慕われてるのよくわかった気がする」




「何それ……別に大したことないよ」




「俺、会社での瑠香知らないからさ…ちょっと妬ける」




「え?そんなの私だって会社での稜ちゃん知らないよ?」




「俺は毎日プレッシャーの板挟みだから余裕なくて見せらんない」




たまにフッと笑う冷たい笑顔が今まで引っかかっていたことを思い出した。
触れちゃいけないんだと勝手に解釈してたけど……手を差し伸べるべきだったのか。




「プレッシャーか……感じ過ぎるのも良くないけど適度には感じていたいよね?それとどう向き合っていくかだと思う」




少し驚いたような表情でこっちを見ていたから若干焦る。




「ごめんね、偉そうなこと言って…」




「いや……今更ながらびっくりしてるけど瑠香ってそうやって部下の心を軽くしてやってんだな?凄いよ」




「ううん、そんなんじゃないよ。私も本当はいっぱいいっぱいだし余裕ない時ばっかだよ…」




「俺にも瑠香みたいな上司が会社に居たらいいのに……あ、でも皆が瑠香推しになられるのは見過ごせないな」




「何言ってんの……言っとくけど私、仕事となればスパルタだよ?」




「わ、見てみたいな」




「バカ…」




普通に笑い合ってる。
これってどうなの…!?
後ろめたい気持ちはシコリとして残るのに夫婦として振る舞えてる。
動揺しないで自然に笑えてるよ?
自分……随分図太く生きられるようになったんだな。




「スパルタも良いけど、今は甘えさせてくれる?」




「え…?」




ソファーに座らされ一瞬強張るも、ニコニコしながら稜ちゃんは膝枕してきた。
久しぶりにまったり過ごす昼下がり。
甘えさせてってこういうこと?
膝枕なんて……何年ぶり!?




気持ち良さそうにしてる姿に自然と髪を撫でてしまう。
猫っ気のある髪質がフワフワしていて好きだった。




あの日の夜のことは到底許せそうにないけど、今でも怒り震えることはなく…遠い昔のことだったような錯覚さえ覚える。




いつもなら、少し触れ合うだけで嬉しくて高まる想いは溢れていた。
この手を握り、この唇に触れ、この身体を焦がしていたのに。




 








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