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不埒に淫らで背徳な恋
第3章 【破滅的な愛でしょうか?】




今は出来なくなってしまった。




「瑠香……」




突然呼ばれて目を合わせる。
真っすぐ見上げる稜ちゃんの真剣な眼差し。
起き上がり向かい合う。




ん…?ってアイコンタクトしたら
大きな手のひらが頬に触れてきた。
しまった……逃げるタイミングを逃した。
この瞳は……そういう瞳だよね。




「好きだよ……瑠香が好きだ」




幾度と聞いてきたこのセリフももう何も響かない。
チクチクと心が痛むだけ。
あんなことしておいて許しも得れてないのにまた早まってる。




もう少し様子を見たいのに。
このストレート過ぎる愛情表現が今じゃ重荷だよ。




顔が近付いてきて本当は突き飛ばしてやりたい。
でも、あからさまに態度に出し過ぎるのも逆に怪しまれちゃう気がしていた。
始まったばかりの裏切り行為……裏目に出るのだけは避けたい。




唇が触れて目を閉じた。




あ………違う。
これじゃない。
心が疼かない。
胸が踊らない。
欲しく……ならない。




稜ちゃんのキスはもう知り尽くしている。




舌を絡ませたら許されたとでも思ってる…?




少し絡ませただけで唇離れちゃった。
びっくりしたの…?
いいの?って目をしてる。
いいよ……勘違いさせてあげる。
私の心がまだそっちにあると高を括ってもらわないとダメでしょ?




醜いかな……?
心ここに在らずで抱かれるのは。
試したいことがある。
本当、下衆い女……悪魔な私。




見つめ合う二人。
欲しい顔して私の出方をうかがっている。
どうして欲しい……?
したいんでしょ……?
ずっとしてなかったもんね。




自業自得だと突き放していたけど。
夫婦の形を壊すまでもないのかなって……
強かな想いを馳せている。




ズルい……?お互いさまでしょ?
いいから試されてよ。




躊躇している不安そうな横顔に触れ、俯いていた視線を再び奪った。
いいんだよ……と私からキスする。
驚いた表情……甘噛みして誘い出す。




ベットに移動して絡み合う。
暗い方が良い。
脳がすり替えて快楽へと誘ってくれる。











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