この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不埒に淫らで背徳な恋
第4章 【許されぬ略奪でしょうか?】
「え、小山社長どうしたんですか!?お電話いただければこちらからお伺いしたのに…」
小山春樹さん、昔からうちと業務提携しているファッション雑貨の製造元で若くして4代目社長でもある。
いつもこっちが押し掛けてあーだこーだと注文して創ってもらったり海外から輸入してもらったりとかなりお世話になってて歳は確か35歳くらい…?だったような。
「ごめん、近くまで来たから…今日時間ある?」
打ち合わせは来週だったはずなのに前倒し…!?
資料は7割方出来てるけど後の残りは打ち合わせしながらでも出来る。
「どうぞ」と応接室へ連れて行く。
すかさずみなみちゃんがコーヒーを入れに立ち上がる。
すぐ他の仕事を割り振って、こんな急な来客も臨機応変に対応出来るように普段から余裕は持つようにしてる。
応接室といっても、うちの会社はお洒落なカフェをモチーフに創られていて広い空間で見渡せれるようにあまり仕切りはない。
打ち合わせなどでよく使う応接室はガラスパーテーションだ。
つまり、中は丸見え。
木目のデスクにカラーバリエーション豊富なオフィスチェア。
皆が居るフロアから会話の内容は聞こえないように常に開放してある扉は閉める。
「では始めましょうか」
そう言ってパソコンを開くと、向かいではなく隣に座って来た小山社長。
顔色ひとつ変えずに対応するのはもう慣れているから。
距離が…近いんだよね。
でも鋭い質問もしてくるし、ユニークな案もたくさんしていただける。
仕事のパートナーとしては完璧に近い人。
だから勿論尊敬もしているし頼り甲斐もある。
ただ、難点はひとつ。
佐野くん以外で指輪に触れてくる人。
「それ、いつ外してくれるの?」って隣だから逃げ場もない。
だからこっちの応接室へ連れて来たのに毎回懲りないな。
「僕と打ち合わせの時は外してて欲しいな」ってそれ今関係ない話ですよね。
昔からそう、フットワーク軽過ぎ問題。
結婚した当初は散々嫌味言われたっけ。
嫌味というか……勝手な未練?
周りには私が振って違う人との結婚に踏み切った…なんてあらぬ噂が立って本当迷惑でした。
それに付き合ってもないから。
ていうか早く打ち合わせ進めたい。