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不埒に淫らで背徳な恋
第4章 【許されぬ略奪でしょうか?】




こんなに後先考えずに行動したことないの……




ずっと我慢してた。
冷静なフリはもう限界。
早く……早く……キミの顔が見たい。




いくつか電車を乗り継ぎ初めて降りる場所。
迷うことなく歩いて行く。
途中で稜ちゃんには残業だと嘘のメールを送信した。




会いたい………




ただその想いだけでこのインターホンを押すの。
明かりがついていてホッとした。
こんなところまで押し掛けてきてどう思われるかな……




どう思われてもいい。
無様な姿を晒すことになろうとも
私はここに来たことを後悔しない。
ごめんね、自分勝手で。
我儘で振り回してばっかで本当どうしようもない。




それでも好きだって言ってくれたキミをまだ解放したくない、ズルくてどこまでも悪女な私を許して………




震える指で鳴らしたインターホン。




勢い良く開いたドア。
驚いた顔と見慣れないスエット姿。




「チーフ!?え、どうして!?」




理由なんている…!?
ここに来たの、自分の意思で。
言葉なんていらないでしょ……?




何も言わずに上がり込んだ。
扉が閉まると同時に私は理性を失って
佐野くんの頬を包み込み自ら唇を重ねた。




理屈なんかで説明つかないよ……
今キミが欲しい……それじゃダメ?




「昨日はごめんなさい……」




怒ってるよね…?
それなのにキスなんかしてふざけんな!って思ってる…?




「こんなとこ来て…大丈夫なんですか?」




目逸らさないで……





「本当にごめんなさい……ただ直接謝りたかったの、会社じゃ言えないから。突然来ちゃって迷惑だったね……ごめん」




言いながら泣きそうだ。
顔見たらどんどん弱くなる。
落としたカバンを拾い背を向けたらドアに手をつかれ止められた。
肩に後ろから頭が乗りかかる。




「僕の為に来てくれたんですか…?怪しまれない為に定時で家に帰るんじゃなかったんですか…?ズルいです……僕が今日どれだけ必死に普通に振る舞ったか…!」




背中から伝わる彼の葛藤に胸が張り裂けそうだ。
ごめんなさいしか言えなくて辛い。












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