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生徒会長・朝倉美咲
第12章 決意表明
葛巻の自宅は、学校から15分ほどの場所にある2階建てのアパートだった。

さすがに下着なしでは危険すぎるので、近くのショッピングモールで買い、トイレで身につけて来た。


(よし!)

深呼吸して、ドアをノックする。

中から、
「おう、開いてるぞ」
葛巻のダミ声がした。

「失礼します」

玄関の中に一歩入るが、ドアは閉めない。

「先生、お話があります」

「そりゃそうだ、俺も話し合うために呼んだんだからな」

奥から現れた葛巻は、毛玉だけのスウェットの上下を着ていた。
夕方になって伸びてきたヒゲが気になるのか、顎の辺りをポリポリ掻いている。

「とりあえず、ドアを閉めたらどうだ?」

「いえ、すぐにお暇しますから」

「ああん?」

「先生、今日は本当に申し訳ありませんでした。どんな処分でも受ける覚悟はできています」

「ほほう、どんな処分でも、ね」

葛巻がニタリと笑うのを見て
美咲はゾッとした。

「でも、指導室で先生がなさった行為は、完全なセクハラです。またあのような事をなさるおつもりなら、私は先生を訴えます」


美咲の強気な態度が意外だったのか、葛巻の顔が少しひきつった。


「そんな話はドアを閉めてからにしてくれないか。隣近所に聞こえちまう」


「私の話は終わりました。
この先の話は学園長立ち会いの元でお願いします。
では、失礼します」


「まぁまぁ、もう少しゆっくりしていきなさいよ」

いつの間に来たのか、帰ろうとする美咲の肩に手をかけ、葛巻の部屋の中に誘う人物がいた。


「れー子…?」
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