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生徒会長・朝倉美咲
第24章 花火大会の夜
「も〜、どこ行っちゃったのよ、二人とも」

会場に着いて早々、人混みの中で美咲は菜々美達とはぐれてしまった。


「すみません、ちょっとすみません」

人波をかき分けて会場入り口まで戻り、電話をかけてみるが電波まで混み合っていて繋がらない。


「あれ、朝倉?」

「脇屋くん…」

クラスメイトで、卓巳と同じサッカー部員の脇屋が立っていた。

「あ、朝倉、浴衣すげぇ似合ってる」

「…え、そ、そうかな?ありがとう」
(そういえば、卓巳は何にも言ってくれなかったな)

迎えに来た時の卓巳は、いつも通りぶっきらぼうな態度で
浴衣姿については一言もふれなかった。


「あのさ、よかったら一緒に見ないか、花火」

「あ、私、菜々美達と来てるの…はぐれちゃったけど」

「じゃあ俺、一緒に探してやるよ」

「え?そんな、悪いわよ」

「いいから、いいから」

脇屋は強引に美咲の手を引き
歩き出した。



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