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生徒会長・朝倉美咲
第26章 美咲の涙
「美咲、話がある」
卓巳は、教室に入ってくるなり真っ直ぐ美咲の席に来て言った。
「俺、菜々美と付き合うことになったから」
「やだ、何よ、こんな所で言う事じゃないでしょ?」
クラスメイトの視線が痛い。
「んなこと言ったって、朝はお前、先に行っちまうし…」
「いいわよ、もう!
あ〜あ、デキの悪い弟みたいだと思ってたら、本当に弟になるとはねぇ」
美咲がわざとおどけて言うと
「バ、バカか!気が早ぇよ」
顔を真っ赤にして慌てた。
「菜々美をよろしくね。
泣かせたら承知しないわよ」
「あ、ああ。任せてくれ」
二人が握手すると、なぜかクラスに拍手の輪が広がった。
「え、えっと私、ちょっと用事があるんだったわ」
いたたまれず美咲は教室を出た。
廊下の角を曲がったところで
人にぶつかる。
「あ、あれ、朝倉さん?」
「三田先生…」
「朝倉さん、ちょっと」
三田が美咲に、
開いていた生徒指導室に入るよう促す。
「どうしたんだい?」
ハンカチを差し出されて初めて自分が泣いていることに気づく。
「あれ?おかしいな…」
「まさか、脇屋君が何か?」
「違うんです、私、ただ失恋しちゃって…」
誰にも言えなかった弱音がポロリとこぼれた。
三田は黙って美咲の頭を撫でてくれた。
「先生…!」
美咲は堪えきれず、三田の胸にすがりついた。
卓巳は、教室に入ってくるなり真っ直ぐ美咲の席に来て言った。
「俺、菜々美と付き合うことになったから」
「やだ、何よ、こんな所で言う事じゃないでしょ?」
クラスメイトの視線が痛い。
「んなこと言ったって、朝はお前、先に行っちまうし…」
「いいわよ、もう!
あ〜あ、デキの悪い弟みたいだと思ってたら、本当に弟になるとはねぇ」
美咲がわざとおどけて言うと
「バ、バカか!気が早ぇよ」
顔を真っ赤にして慌てた。
「菜々美をよろしくね。
泣かせたら承知しないわよ」
「あ、ああ。任せてくれ」
二人が握手すると、なぜかクラスに拍手の輪が広がった。
「え、えっと私、ちょっと用事があるんだったわ」
いたたまれず美咲は教室を出た。
廊下の角を曲がったところで
人にぶつかる。
「あ、あれ、朝倉さん?」
「三田先生…」
「朝倉さん、ちょっと」
三田が美咲に、
開いていた生徒指導室に入るよう促す。
「どうしたんだい?」
ハンカチを差し出されて初めて自分が泣いていることに気づく。
「あれ?おかしいな…」
「まさか、脇屋君が何か?」
「違うんです、私、ただ失恋しちゃって…」
誰にも言えなかった弱音がポロリとこぼれた。
三田は黙って美咲の頭を撫でてくれた。
「先生…!」
美咲は堪えきれず、三田の胸にすがりついた。