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性に溺れる私
第1章 【先生とイケナイ契り】
「藍沢…昨日のことは」
人差し指で唇を押さえる。
それ以上言わなくて良いですよ?
座ったままの先生を後ろからハグしてあげたらビクッとしてる。
驚かないで。
「大丈夫……みんな秘密の一つや二つ、抱えて生きてます。昨日のことは口が裂けても私からは誰にも言いません……約束します」
先生の匂い……好きです。
クンクンと嗅いで吐息を漏らす。
耳……舐めて良いですか?
その前に断っておかなきゃ、ですね。
「満点だったでしょ?」
「じゃ、わざとあんな点数を取ったってわけだな?何の意味があってだ?」
「わかりませんか……?私、先生が好きなんです。困らせてやったんです…気を引きたくて」
「普通に話せば良いだろ」
「二人きりになれなきゃ意味がありません、手っ取り早く手に入れたいので…せっかちですみません」
「昨日の画像は消してくれたのか?」
「確かめてみます?」
「消してくれたんならそれでいい」
「そこでちゃんと確認しないなんて先生、騙されやすい人なんですね?益々手放したくなくなるじゃないですか」
「そんなことどうでもいいから離れろ」
「その前に私の願い事、叶えてくれるんですよね?」
「出来レースだったじゃねぇか……」
「言われた通り満点取ったのにそんな言い方酷くないですか?」
大きなため息ひとつ。
耳に息を吹きかけたらガタンッ!と音を立てて椅子から転げ落ちちゃって笑える。
「何するんだっ…!」
「へぇ、先生…耳弱いの?それとも意識し過ぎ?ウケる」
「藍沢、もう補習は終わりだ。帰っていいぞ」
「はい……そうですね」
尻もちついた先生の足の上に跨っているのに…?
まだ昨日の人格は出て来ないのですか…?
早く痺れさせてよ。
ブレザーのボタンを外して先生に近付いていく。
身動き出来ないね、目を逸らして抵抗のつもり…?
「今日はネクタイなんですね」
結び目に手を掛けたら案の定「やめろ」と言われた。
「私の願いはただひとつです……今から30分間決して動かないでください、チャイムが鳴るまで…ですよ?」