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性に溺れる私
第7章 【交錯していく欲望】
どれくらい時間が経ったのだろうか。
喉がカラカラなことに気付いて起きた。
まだ思うように身体は動けずゆっくり這うように起き上がる。
少し立っただけで立ち眩みが。
点滴受けたはずなのに……とにかく、水。
壁に伝って歩き慎重に階段を降りていく。
リビングの時計は夕方の五時を差していた。
どおりで西日が照りつけているわけだ。
水を飲み、部屋でも飲めるようペットボトルを持って行く。
ガンガン頭も痛い。
インフルでも風邪でもなければ何なの?これは。
年に一度訪れる高熱に対処法などなく原因がわからないまま過ごしている。
熱い……とにかく身体が熱いのだ。
悶々としてく。
ソファーに倒れ込もうとした瞬間、鳴り響いた呼び出しチャイム。
インターフォン越しに見えた2つの影。
「え……?」
重い身体を引きずり鍵を開けた。
玄関先で倒れそうなほど朦朧としてる。
顔を見せるなり赤くなった気がしたのは私の格好のせいかな。
ランジェリー姿で肩紐がずり落ちてブラ紐が見えちゃっている状態。
そんなの気にしてる場合じゃなくて、久しぶりに見た大樹の優しい眼差しにホッとしたのかも。
「大樹………」
胸に飛び込もうとしたけど、どうやら私はそこで倒れちゃったみたい。
私を呼ぶ声と抱きかかえられた感覚。
大樹のほのかに香る匂いに安心したのか身体を預けてしまった。
「玲奈、部屋は二階?」
コクリと頷く。
部屋の扉は開けてあるからすぐにわかるはず。
お姫様抱っこのまま階段を颯爽と登る大樹にここだと指を差した。
大樹も初めて入る私の部屋に驚いている。
一人なのにキングサイズベッド。
ソファーやテーブル、テレビまであって更に奥には段差フロアがあって勉強部屋になっている。
ゆっくりベットに降ろしてくれた。
肩で息をするほど呼吸も乱れていてきっと顔も赤いだろう。
「凄い熱だ……」
氷枕とかあるかな?と立ち上がる大樹の手を掴んだ。
「大樹………行かないで」
「あ……でも冷やした方が」
「大丈夫……そのうち治るから、いつものことだから」
「そんな頻繁にあったりするの?」