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性に溺れる私
第4章 【魅惑的な四角関係】





「うん、ほら、あそこ」とグランドを指差す。
同じ場所から覗いて大樹くんを確認すると納得した様子。




「穂高くんは?忘れ物?」




そう聞いた瞬間、廊下側から走って来る何人かの足音と声が響いてきた。




「ヤベッ!お願い!一緒に隠れて!匿って!」




勢いよく腕を引かれ教卓の中に隠れる二人。
息を潜めて固まりながらその時を待つ。




「ねぇ、耀平こっち来たよね?」
「教室戻ってんじゃない?」
「いや、居ない」
「今日こそ一緒に帰りたいのに〜」




そんな女子の声が聞こえてくる。
バタバタと足音も消えて行った。




ジロッと睨みつける。




「さすがモテ男だね、でも何で私まで隠れなきゃならないのよ」




「いや〜ごめん、あの子たちしつこくて…撒いたつもりだったんだけど」




「こんなとこ見つかったら逆にヤバいでしょ、私だって相手居るんだよ?」




「ごめん!今度何か奢るから!」




「いらない、変なことに巻き込まないで」




「あ、待って!」




退こうとした私を止める手。
すぐ引き戻されて尻もちついちゃう。




「ちょっと…」




「匿って欲しかったのは事実だけど…こうやってちゃんと二人で話したかった」




掴まれた手は離してくれないまま狭い教卓の中で座り込む。




「じゃ、何も此処じゃなくても…」




「まだあの子たちうろついてるかも…!」




またもや引き戻される。
もうすぐ大樹くんも部活が終わる。
こんなとこ見られたら。




「もう、1%も可能性なかったりする?」




ん、何の事…?
見つめ合う視線は互いに外れない。




「ショックだった……俺じゃなくて大樹だったこと」




まだ根に持ってるんだ。
意外と男ってそういうの引きずるよね。
選んで欲しかったんだ?
何でも手に入れてきたって感じだもんね。
欲しいモノ全部手に入れないと気が済まないタイプだ。





「俺が先に好きになったのに何で大樹なの?アイツにあって俺に足りなかったものって何?」




はっきり言えば筆おろししたかったから。
それが武器になると思った。
先生に対する一番の屈辱。
遊び慣れてるキミじゃダメだったの。
キミはまだ弱い駒なんだよ。












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