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性に溺れる私
第4章 【魅惑的な四角関係】
文化祭に向けての準備期間。
男子はほぼ女子になりきるコスプレイヤーとなるみたい。
ナースやチャイナドレス、メイドやボカロ等、ヘアメイクの私はそれぞれに応じてどんな風に変身させるか打ち合わせ中。
「ねぇ、藍沢さんの彼氏何するって?」
「え、あぁ……めっちゃ嫌がってるけど女子高生でセーラー服。クジで当たったみたい」
「めっちゃ良いじゃん、変身させやすいね」
「うん、腕が鳴る」
「アハハ…!藍沢さん本気…!ていうか下の名前で呼んでいい?」
「あ、うん……どうぞ」
「あ、でも猪俣嫌がるかな?名前呼びは俺だけの特権だ!みたいな」
「そんなこと言う器じゃ……」
教室の端と端で大樹と目が合う。
めっちゃ拗ねてる……睨まれてる……?
「あぁ……言いそう、かも」
「アハハ!じゃ、うちらは玲奈ちゃん呼びで」
「ねぇ、俺も混ぜて」
班に分かれての話し合いを先に終えたのかそう言ってきたのは穂高くんだった。
「耀平は何になったの?」と同じヘアメイクの友達が聞いてる。
「俺だけドラキュラにしてもらった」
さり気なく隣座ってくるあざとさ。
全く気にもならないけど大樹のことを思って少し椅子を離した。
「えっ!女装じゃないの!?」
「だって皆は俺のドラキュラ見たいでしょ?」って自信満々な顔。
呆気にとられていると離れた分、距離を戻すように椅子を付けてきた。
「あ、それと俺のメイクは藍沢さんでお願いね」
「えっ、ドラキュラ!?」
「うん、宜しく」
勝手に決めないでよ。
「ご指名か〜仕方ないね、玲奈ちゃん」と友達も頷いてるし。
「え、玲奈ちゃんって呼ばれてるの?俺もそう呼ぼうっと」
相変わらずチャラい穂高くんに大樹は怒ってる。
だからここは私がハッキリさせてあげるべきなんだよな。
「ごめん、それはダメ。メイクも無理。大樹が嫌がることしたくないんだよね、穂高くんも空気よんでよ」
シーン…と静まり返った教室内。