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ブレインウォッシャー
第2章 新生活
正直な話、防音と家賃さえ希望が通れば後の条件は無視してもいいのだ。
それから数十分条件の擦り合わせをするがなかなかこれはというのがない。
「澤村さま。少し失礼いたします。」
リンスの薫りを残して赤沢さんはブースを出ていく。多分上司に相談に行くのだろう。
それにしてもここの経営者はよく考えてる。大学の側の不動産屋なら当然顧客の多くは大学生特に新入生だ。数年勉強漬けで異性との交流すらなかった寂しい奴も多いだろうしそうでなくても男女共にヤリたいさかりのお猿さんだ。吐息が掛かる程の距離で美男美女に対応されたらぽーっとして簡単に判子を押すだろう。赤沢さんにしても胸を机の上に乗せたり偶然を装って太股を触れさせてきたりとちょいちょち色仕掛けを挟んでくる。だが奴隷持ちのサディストにその程度の技は通じない。
暫くして赤沢さんと一緒に男性が入ってきた。
「お待たせしました。社長の金崎」
「研二先生!」
自己紹介は俺の悲鳴で遮られた。
「え?慎哉君?」
この人、孝と一緒に俺の勉強みてくれた五爪龍会の組員さんだ。大学出のインテリヤクザで今は若頭補佐だったか?つまりここは企業舎弟ってわけだ。
研二先生、いや金崎さんは赤沢さんに退室を命じると溜め息をつく。
「まさか慎哉君が客で来るとはな。」
「僕も驚きましたよ。で、口の固い僕の為に良い物件探してくれるんですよね。」
「俺以外の奴にそんな口きくなよ。夜中に刺されても知らんぞ。」
無論気心の知れた相手だからこその軽口だ。俺だって馬鹿じゃないし命も惜しい。
「さてと。赤沢が言った通り全ての条件を満たすのは無理だが何点か妥協してくれるなら面白い物件がある。」
「聞きましょう。」
「まず、大学までの通学時間20分は徒歩込み40分になる。」
想定内だ。
「次に近所にスーパー、コンビニは無い。買い物は徒歩10分の最寄り駅近辺でするしかない。」
う~ん。少し厳しいが妥協出来る範囲だ。
「最後に家賃だが敷金礼金なしで月10万だ。」
「はぁ?こっちの予算の倍じゃないか。お話にならないね。」
語気荒く突っぱねても金崎さんは余裕の笑みだ。
「慌てるな。話しはここからだ。だがちょいとここでは話が出来ないから本部について来てくれ。」
と、何が何やら判らぬ内に金崎さんに連れられて五爪龍会本部の応接間に居るわけだ。
それから数十分条件の擦り合わせをするがなかなかこれはというのがない。
「澤村さま。少し失礼いたします。」
リンスの薫りを残して赤沢さんはブースを出ていく。多分上司に相談に行くのだろう。
それにしてもここの経営者はよく考えてる。大学の側の不動産屋なら当然顧客の多くは大学生特に新入生だ。数年勉強漬けで異性との交流すらなかった寂しい奴も多いだろうしそうでなくても男女共にヤリたいさかりのお猿さんだ。吐息が掛かる程の距離で美男美女に対応されたらぽーっとして簡単に判子を押すだろう。赤沢さんにしても胸を机の上に乗せたり偶然を装って太股を触れさせてきたりとちょいちょち色仕掛けを挟んでくる。だが奴隷持ちのサディストにその程度の技は通じない。
暫くして赤沢さんと一緒に男性が入ってきた。
「お待たせしました。社長の金崎」
「研二先生!」
自己紹介は俺の悲鳴で遮られた。
「え?慎哉君?」
この人、孝と一緒に俺の勉強みてくれた五爪龍会の組員さんだ。大学出のインテリヤクザで今は若頭補佐だったか?つまりここは企業舎弟ってわけだ。
研二先生、いや金崎さんは赤沢さんに退室を命じると溜め息をつく。
「まさか慎哉君が客で来るとはな。」
「僕も驚きましたよ。で、口の固い僕の為に良い物件探してくれるんですよね。」
「俺以外の奴にそんな口きくなよ。夜中に刺されても知らんぞ。」
無論気心の知れた相手だからこその軽口だ。俺だって馬鹿じゃないし命も惜しい。
「さてと。赤沢が言った通り全ての条件を満たすのは無理だが何点か妥協してくれるなら面白い物件がある。」
「聞きましょう。」
「まず、大学までの通学時間20分は徒歩込み40分になる。」
想定内だ。
「次に近所にスーパー、コンビニは無い。買い物は徒歩10分の最寄り駅近辺でするしかない。」
う~ん。少し厳しいが妥協出来る範囲だ。
「最後に家賃だが敷金礼金なしで月10万だ。」
「はぁ?こっちの予算の倍じゃないか。お話にならないね。」
語気荒く突っぱねても金崎さんは余裕の笑みだ。
「慌てるな。話しはここからだ。だがちょいとここでは話が出来ないから本部について来てくれ。」
と、何が何やら判らぬ内に金崎さんに連れられて五爪龍会本部の応接間に居るわけだ。