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ブレインウォッシャー
第2章 新生活
 飼い主としての矜持や感傷に目を瞑る価値が秘書としての友妃にはあった。有能なんてありきたりな言葉ではとても言い表せない。一流企業の経営陣クラスだ。はっきり言って経営者としては俺の数段上に居る。そんな女を奴隷として使役しているというだけで俺の株は天井知らずに上がる。張り子の虎と呼ばれないように俺も頑張らなければ。
 10月も中盤を過ぎると風の色が変わった気がする。道行く人の服装のせいか、いつもより高く澄んで見える蒼天のせいか。秋の気配漂う街を今日は一人で歩いている。友妃には生理休暇をとらせてる。友妃は断ってきたが傍に居られると俺が我慢できなくなる。流石に経血まみれでセックスする趣味はない。俺の為にも休暇をとって貰った。
 月収数百万になっても身に染み付いた貧乏性は直らない。商談の時は相手に嘗められない様に高級品で武装するが平時は下着から装飾品まで全て合わせて一万円もしない出で立ちだ。今日の服も上下全てかの有名ブランド○ニクロだ。手に持った紙袋には買ったばかりのハードカバーの本が二冊はいっている。高校生の頃好きだった作家さんが数年振りに新刊を上下二巻で出したと聞いて買いに来たのだ。総額四千円弱。かなりの出費だが気分はワクワク高揚している。
 横断歩道を渡っている最中に歩行者信号が点滅を始めた。まあ、この距離なら赤になる前に渡りきるだろう。とのんびり歩いていると突然けたたましいエンジン音とブレーキ音の不協和音を纏った白い車が突っ込んできた。それから数十秒間は何があったのか俺には判らない。気が付いた時俺は横断歩道の上に尻餅をついていて少し先にはスピンしたのか変な角度で止まってる白い車。高級車の代名詞ベンツだ。世間に疎い俺でもエンブレムを見ればそれが三菱かベンツかの区別くらいはつく。何人か「大丈夫か?」と声を掛けながら近付いてくる。アスファルトとキスしてるお尻以外痛む所はないので、右手を軽く上げて頷く。ここでやっと横断歩道に突っ込んできた暴走車に轢かれそうになったんだ思い当たる。目の端にボロボロになった紙袋と本が見える。間が悪ければあんな風に倒れていたんだと思いいたり恐怖で膝が震えた。
 通行人の手を借りて立ち上がると運転席のドアが開くのが見えた。流石はベンツ、左ハンドルだ。下らない事に感心しながら見てると運転手が降りて来た。女だ。しかもかなり若い。
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