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ブレインウォッシャー
第2章 新生活
 茶髪のロングヘアーに一目で判る高級ブランド品らしき服にジャラジャラしたアクセサリー。足元はハイヒールだ。下品と上品の境界線があるならオンラインでかろうじて上品の部類に入れてるという感じか?一歩間違えればキャバ嬢だ。
 女は俺に駆け寄りもせず車の周りを見て歩く。左前部に大きな凹みをみつけると般若みたいな顔でこちらに駆け寄る。
 「あんた!何処見て歩いてんのよ!あんたがぼやぼや歩いてたせいでベンツに傷が付いたじゃない!あれ新車なのよ!どうしてくれるのよ!弁償しなさいよ!」
 立て板に水と言うのかまあ、途切れも咬みもせずに文句だけがスラスラと出るは出るは。俺も通行人も怒るもの忘れて呆れて見ている。
 「ちょっと!何してんのよ!さっさと新車買って返しなさいよ!」
 うわぁ~。僅かな凹みと引き換えに車一台要求してきた。ここまで突き抜けて図々しいと感動さえ覚える。パニックを起こしかけていた頭が冷静さを取り戻す。周りを見ると何人も野次馬がスマホを手に動画や写真を撮影している。
 「すいません。何方か警察呼んで貰えますか?」
 俺の呼び掛けに数人から既に連絡済みとの答えが返る。警察と聞いて女の表情が少し曇る。
 「警察なんか呼んでどうする気よ!」
 「交通事故なんで調べてもらうんですが?」
 「判った!あんたお金目当ての当たり屋ね。いくら欲しいのよ?」
 あまりに斜め上すぎる言葉に思考が止まる。何処をどう解釈したらそうなるんだ?
 女は財布を取り出し入っていた札を掴むと俺に投げつける。札束で人の頬を殴りなれた人間の所作だ。続いて白い紙片が突きつけられる。名刺のようだ。それを胸ポケットに差し込むと
 「文句があるならここへいらっしゃい!」
 と捨て台詞を残してベンツに乗り込むとヒステリックなクラクションと狂暴なエンジン音で野次馬を蹴散らし去って行った。お前はポリニャック夫人か?場違いな事を思いながらも野次馬に「もう少し撮影してください」とお願いして落ちていた札を拾いレンズの前で枚数を数える。
 「警察がきたらこれを渡します。これが全額だったと証言して下さい。」
 一円でも猫ババしたと思われたくない。証拠映像と証人は多いに越したことはない。撮影者全員が協力を約束してくれた。そもそも非は100%向こうにあり俺に協力するのは正義の行いだ。後で友人知人に自慢できる。断る理由がない。
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