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初めての彼女を脱糞させて
第1章 初めての彼女を脱糞させて
そして僕の戦いは終わった。
さすがに女神様も現れる事はなかった。

すずちゃんが早く美味しいケーキを食べたいと暴れ出し、恐怖を感じた僕は諦めて部屋を出た。

来るときに乗ったエレベーターは何故か緊急メンテナンスの札が貼られ使用できなかった。

心の中でメンテナンス作業者様に謝りながら、階段で下まで降りた。
そして駐車場に停めていた車に乗り込んだ。

すずちゃんは何故か助手席には乗らず、後ろの席に乗り込みキャッキャキャッキャと右に左にと動き回り、シートをうんこまみれにしていく。

古くさい旧型の車だったが、初めて買った僕の大事な愛車だった。
残念だけど僕は涙を流し、愛車と別れる決意をした。

ゲロを吐きそうな悪臭に耐えながら、途中ケーキ屋によった。
僕は一人で買いにいくとすずちゃんに伝えたが、自分で選びたいと言い出した。
オシャレでケーキのいい匂いがするお店だったが、すずちゃんが入店したとたん、店内が悪臭に騒然としてパニックになった。

僕は心を無にして、すずちゃんがケーキを選ぶまで待っていた。
優柔不断な可愛いすずちゃんは10分間ほどショーケースの前で中腰になり、尻を突き出す格好でケーキを選んでいた。

みんな口には出さなかったが、汚れたスカートをみて、あいつが犯人かといった目で見ていた。
隠し事をしない性格のすずちゃんは偉いよね。

その間、ケーキ屋の老夫婦は死んだ目で僕らを見守っていてくれた。
店を追い出さないあたりは、老夫婦の優しさを感じた。

僕は店へのせめてもの詫び料として、一万円分のケーキを買わせて頂いた。

車に戻ると、すずちゃんは後ろの席でさっそく美味しそうにケーキを食べ始めた。

食べている間は静かだったので僕は安心して運転ができた。

途中、すずちゃんはケーキを落として席を汚しちゃったと謝ってきた。

僕はもっと根本的に違う事を謝って欲しかったが、仏の心で我慢をした。


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