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見られたせいで。
第3章 増えちゃった
 「成る程。で、和尚は?」
 「消去法で黒です。」
 「?」
 「春人の一件があって両親の監視が厳しくて男の影はありません。学校は桜ノ宮の様な女子校ですしスポーツ少年団には男子も居ますがこれは白でしょう。」
 「何故?」
 「個人の武の強さを競う競技で自分より少し強い女の子なら憧れの対象になりますが自分が百年逆立ちしても足元にも近づけない程の強者なら安っぽいプライドを守る為にも近づいたりしません。」
 「ごもっともだ。」
 「団の指導者は町内で有名な恐妻家です。浮気、しかも相手が小学生。ありえません。」
 「あと男と言うと」
 「実は彼を一番に疑いました。父親です。」
 「随分乱暴な話だな。」
 愛美は静かに笑う。 
 「結構あるんですよ。実父が娘とって。」
 「まるでエロ小説のネタだな。」
 「事実は小説より奇なりです。この父親、妻を溺愛しているんですが妻によく似た京花嬢も同じ様にそれこそ目に入れても痛くないって感じだったのが小学生で処女喪失。かわいさ余って憎さ百倍。という筋で追ってみたのですが空振りでした。」
 と、なるとだ。
 「残るは和尚か。」
 「はい。報告書にも書きましたが浴室の件。」
 「ソープランドの事か。」
 「はい。実は箝口令がひかれる前に日中出入りしていた京花嬢に女性の出入りはなかったか尋ねた人間がいました。」
 「誰だ?」
 「町会長です。和尚は町の名士で下手なスキャンダルは困ると調べてたそうです。」
 「返答は?」
 「昼間は居ない。夜は判らない。」
 「だろうな。」
 「寺の側の防犯カメラにも夜間は誰も映ってなかったそうです。」
 「それこそ消去法で京花が怪しいとなるだろ?」
 「流石に年が離れすぎてます。和尚が京花嬢に懸想は判りますが逆は考えにくいです。」
 「写真とかで脅されてた。」
 「ご主人様じゃあるまいし。・・・失礼しました。町会長もその点は考えたそうですが和尚はメカ音痴で携帯はガラケー、デジカメも持ってません。パソコンは有るには有ったんですが写真も動画も有りませんでした。」
 「で、脅迫の線も消え謎の女は謎のままか。」
 「はい。京花嬢が接触した男は和尚で、和尚がソープランドごっこしていた可能性が有るのは京花嬢。年の差とか社会通念とかを無視して考えると簡単な式だと思います。」
 「はぁ~。還暦過ぎてロリコンね。」
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