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第1章 掃き溜めの星屑

　中にはまともな生徒だっている。

　劉さんの斜め後ろに座ってる西川君は国立大学の受験を狙ってる優等生だ。
　中2のときに心臓病を患わなければ、私立進学校を退学することもく、今頃エリートの道を逸れずに真っ直ぐ歩んでいただろう。

　わたしの眼の前に座ってる小柄なベトナム人の女の子、グエンさんだって、工場が終わったら学校に来て真面目に勉強してる。

　それから橋本くんだって、西川くんと同じく国立大学の受験を考えているらしい。お母さんに車で送ってもらわなくても学校に1人で来れるようになったら…の話らしいけどね。


　夜間高校はつくづく人種のるつぼだ。