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掃き溜めの星屑
第1章 掃き溜めの星屑
 池田くんは21歳。
 わたしと同じ、夜間高校1年生だ。


 なんで今さら高校に入ったかって言うと、
 10代の頃に傷害事件を起こして、
 少年院だか少年刑務所だかに入ってて、
 高校に行けなかったから…
 みたいな話を本人から訊いた。


 夜間高校ではべつに珍しい話ではない。
 ここは社会の掃き溜めだから。



「なんでクビになったの?」



 食堂で池田くんに質問したのは、橋本くんだ。
 彼は2年生。わたしと同じ17歳。
 ギルバート・オサリバンみたいな髪型にメガネでお母さんがスーパーの上で買ってきたような服を着てる痩せた小柄な男子だ。
 引きこもりを克服して社会に出る訓練として、夜間高校に通ってるんだと本人から聞いた。
 

 池田くんは橋本くんのほうを見て、ウーンと苦しそうな顔で唸った。
 

「決まってんだろーおれが使えないからだよー」


 嘆く池田くんに、橋本くんは


「…俺のパンもあげるよ」


 突っ伏してる池田くんの前にコッペパンをソッと差し出した。



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