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地味子が官能小説を書いたら
第9章 モダンガール
「ねえ、花音先輩、なんで紗栄子と杏果さんの絡みのシーンをカットしたんすか?」
私の下書きを読んだ流留が不思議そうに言う。
「だって、女の人同士の絡みが良く分からなかったのよ」
「ビデオを観たじゃないっすか~」
「観たけど……その……なんだか嫌だったの、女同士で……あんなこと」
「それに、紗栄子と杏果がエッチなのは、あそこまでの描写で読者には伝わったと思うから、あとは読者の想像に任せるわ」
「まるで、男女の絡みなら大丈夫みたいな言い方だけど、そもそも、花音先輩って、経験あるんっすか?」
「な!」
実は処女だなんて、流留には言えない。
「あたりまえじゃない、なによ、セクハラ発言して、流留のくせに」
「そんな、人を『のび太』みたいに言わないでくださいよ」
「俺もお嬢と同じ意見だな。無理に絡みのシーンを書くより、ああやって妄想を駆られる方が、読み手としても興奮する。すでにキスのシーンで終わってたと思うぞ」
私たちのやり取りを聞いていた向島が口を開いた。
「それよりも、女子高生がナンパされて犯されるまでのシーンをもっと手厚くした方が良いかな」
「そうですよね、その後の海と再会するシーンを早く書きたくて、あそこを駆け足にしてしまった気がします」
こうやって、男の人の意見を聞いて作品に反映することで、より完成度は上がっていく、私は電研でパソコンを使用することの効果を実感していた。
時計を見ると、もうすぐ19時だった。
「あ、わたし、明日用事があるから、もう帰りますね、ありがとうございました」
明日は、弁岳とのデートだ。朝9時に待ち合わせなので、早めに寝て睡眠時間を確保したかった。
「あ、じゃあ、俺が送っていきますよ」と、流留。
「いいよ、一人で帰れる」
「まあまあ、そう言わず、送らせるっすよ」
流留と二人で帰ることになった。
外は既に陽が落ち暗くなっていた。正門を出ようとしたとき、見覚えのある人影に気づいた。
(文剛君!)
私は、思わず立ち止まってしまう。
「花音先輩、どうかしたっすか?」
と、その時、文剛のもとへ一人の女子学生が駆け寄って行った。しかし、眼鏡をしていないため、誰だか分からない。
「あれ~、桐谷先輩だ」
(桐谷先輩?!)
どうして文剛と桐谷が?
私の胸がまた、ざわめく。
私の下書きを読んだ流留が不思議そうに言う。
「だって、女の人同士の絡みが良く分からなかったのよ」
「ビデオを観たじゃないっすか~」
「観たけど……その……なんだか嫌だったの、女同士で……あんなこと」
「それに、紗栄子と杏果がエッチなのは、あそこまでの描写で読者には伝わったと思うから、あとは読者の想像に任せるわ」
「まるで、男女の絡みなら大丈夫みたいな言い方だけど、そもそも、花音先輩って、経験あるんっすか?」
「な!」
実は処女だなんて、流留には言えない。
「あたりまえじゃない、なによ、セクハラ発言して、流留のくせに」
「そんな、人を『のび太』みたいに言わないでくださいよ」
「俺もお嬢と同じ意見だな。無理に絡みのシーンを書くより、ああやって妄想を駆られる方が、読み手としても興奮する。すでにキスのシーンで終わってたと思うぞ」
私たちのやり取りを聞いていた向島が口を開いた。
「それよりも、女子高生がナンパされて犯されるまでのシーンをもっと手厚くした方が良いかな」
「そうですよね、その後の海と再会するシーンを早く書きたくて、あそこを駆け足にしてしまった気がします」
こうやって、男の人の意見を聞いて作品に反映することで、より完成度は上がっていく、私は電研でパソコンを使用することの効果を実感していた。
時計を見ると、もうすぐ19時だった。
「あ、わたし、明日用事があるから、もう帰りますね、ありがとうございました」
明日は、弁岳とのデートだ。朝9時に待ち合わせなので、早めに寝て睡眠時間を確保したかった。
「あ、じゃあ、俺が送っていきますよ」と、流留。
「いいよ、一人で帰れる」
「まあまあ、そう言わず、送らせるっすよ」
流留と二人で帰ることになった。
外は既に陽が落ち暗くなっていた。正門を出ようとしたとき、見覚えのある人影に気づいた。
(文剛君!)
私は、思わず立ち止まってしまう。
「花音先輩、どうかしたっすか?」
と、その時、文剛のもとへ一人の女子学生が駆け寄って行った。しかし、眼鏡をしていないため、誰だか分からない。
「あれ~、桐谷先輩だ」
(桐谷先輩?!)
どうして文剛と桐谷が?
私の胸がまた、ざわめく。