この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
地味子が官能小説を書いたら
第9章 モダンガール
「ねえ、花音先輩、なんで紗栄子と杏果さんの絡みのシーンをカットしたんすか?」

私の下書きを読んだ流留が不思議そうに言う。

「だって、女の人同士の絡みが良く分からなかったのよ」

「ビデオを観たじゃないっすか~」

「観たけど……その……なんだか嫌だったの、女同士で……あんなこと」
「それに、紗栄子と杏果がエッチなのは、あそこまでの描写で読者には伝わったと思うから、あとは読者の想像に任せるわ」

「まるで、男女の絡みなら大丈夫みたいな言い方だけど、そもそも、花音先輩って、経験あるんっすか?」


「な!」

実は処女だなんて、流留には言えない。

「あたりまえじゃない、なによ、セクハラ発言して、流留のくせに」

「そんな、人を『のび太』みたいに言わないでくださいよ」


「俺もお嬢と同じ意見だな。無理に絡みのシーンを書くより、ああやって妄想を駆られる方が、読み手としても興奮する。すでにキスのシーンで終わってたと思うぞ」

私たちのやり取りを聞いていた向島が口を開いた。

「それよりも、女子高生がナンパされて犯されるまでのシーンをもっと手厚くした方が良いかな」

「そうですよね、その後の海と再会するシーンを早く書きたくて、あそこを駆け足にしてしまった気がします」

こうやって、男の人の意見を聞いて作品に反映することで、より完成度は上がっていく、私は電研でパソコンを使用することの効果を実感していた。


時計を見ると、もうすぐ19時だった。

「あ、わたし、明日用事があるから、もう帰りますね、ありがとうございました」

明日は、弁岳とのデートだ。朝9時に待ち合わせなので、早めに寝て睡眠時間を確保したかった。

「あ、じゃあ、俺が送っていきますよ」と、流留。

「いいよ、一人で帰れる」

「まあまあ、そう言わず、送らせるっすよ」


流留と二人で帰ることになった。


外は既に陽が落ち暗くなっていた。正門を出ようとしたとき、見覚えのある人影に気づいた。

(文剛君!)


私は、思わず立ち止まってしまう。

「花音先輩、どうかしたっすか?」

と、その時、文剛のもとへ一人の女子学生が駆け寄って行った。しかし、眼鏡をしていないため、誰だか分からない。

「あれ~、桐谷先輩だ」

(桐谷先輩?!)

どうして文剛と桐谷が?

私の胸がまた、ざわめく。




/130ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ