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化け物
第1章 化け物
聡が心から慕っていた最愛の姉は高校に進学したものの、退学。
両親のもとから飛び出してしまった。
次に帰ってきたときには、姉のお腹は大きくなっていた。
姉の夫になった人は髪が金色だったけど、優しい人だった。
「お父さん、お母さん。
今まで私を育ててくれてありがとう。
私たちもお父さんとお母さんのような、素敵な夫婦になります。
そして、死んだ弟のぶんまで幸せになります」
姉の結婚式は簡素ながら、正式に執り行われた。
両親に宛てる手紙の中で、姉は声を震わせながら、その一文を読み上げた。
姉の震える肩をしっかり抱く新郎の姿に、参列者は皆、二人の幸せを心から願ったに違いない。
拍手喝采。
花嫁姿の姉はスポットライトの中。
真実を知るのは、私達家族だけ。
聡は、最愛の姉に殺されてしまった。
大好きだった姉に、死んだ存在にされてしまった。
その時、私の心に化け物が現れた。
可哀想な聡。
わたしの命の片割れ。
わたしの心臓…。
両親のもとから飛び出してしまった。
次に帰ってきたときには、姉のお腹は大きくなっていた。
姉の夫になった人は髪が金色だったけど、優しい人だった。
「お父さん、お母さん。
今まで私を育ててくれてありがとう。
私たちもお父さんとお母さんのような、素敵な夫婦になります。
そして、死んだ弟のぶんまで幸せになります」
姉の結婚式は簡素ながら、正式に執り行われた。
両親に宛てる手紙の中で、姉は声を震わせながら、その一文を読み上げた。
姉の震える肩をしっかり抱く新郎の姿に、参列者は皆、二人の幸せを心から願ったに違いない。
拍手喝采。
花嫁姿の姉はスポットライトの中。
真実を知るのは、私達家族だけ。
聡は、最愛の姉に殺されてしまった。
大好きだった姉に、死んだ存在にされてしまった。
その時、私の心に化け物が現れた。
可哀想な聡。
わたしの命の片割れ。
わたしの心臓…。