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第1章 化け物

　わたしがそう言うと、聡はははっと笑った。
　喉仏が動き、目尻に笑いじわが浮かんでる。



「分かってるよ。お姉ちゃんは、おれの心臓なんだから」



　聡は思いっきり煙を吸い込むと、ポイッと煙草を遠くに放り投げた。



「おれ、次は失敗しないよ」



　隣りにいるわたしの可愛い化け物は、やっぱり、知らない男の人みたいだった。





【おしまい】