この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
化け物
第1章 化け物
…ところで。
話は変わるが、聡には2つ年上の姉がいる。
姉は、聡が通う小中一貫の私立校に中学受験をして入学した。
初等部には学力が足りず合格出来なかったから、6年越しに桜が咲いたというわけだ。
しかし。
彼女の血の滲むような努力は虚しく。
聡が中1の時にしでかした事件のせいで、卒業間近だったにも拘らず、聡と共に退学させられ、聡と共に公立中学校への転校を余儀なくされた。
そして、転校先の中学校で、聡はあの惨たらしい傷害事件を起こしたのだ。
化け物の家族になってしまった姉の落胆は凄まじいものだった。
聡は小さい頃から、彼女にとても懐いていた。
「聡はいつもお姉ちゃんの味方をしてくれるもんね」
まだ小さかった頃、姉はよくそう言って、聡の頭を撫でていた。
「聡はお姉ちゃんの言うこと、ちゃんと聞いてくれるもんね」
そう言い聞かせる姉の顔を、聡はいつも嬉しそうに見上げていた。
聡は姉のことが大好きだった。
本当に大好きだった。
話は変わるが、聡には2つ年上の姉がいる。
姉は、聡が通う小中一貫の私立校に中学受験をして入学した。
初等部には学力が足りず合格出来なかったから、6年越しに桜が咲いたというわけだ。
しかし。
彼女の血の滲むような努力は虚しく。
聡が中1の時にしでかした事件のせいで、卒業間近だったにも拘らず、聡と共に退学させられ、聡と共に公立中学校への転校を余儀なくされた。
そして、転校先の中学校で、聡はあの惨たらしい傷害事件を起こしたのだ。
化け物の家族になってしまった姉の落胆は凄まじいものだった。
聡は小さい頃から、彼女にとても懐いていた。
「聡はいつもお姉ちゃんの味方をしてくれるもんね」
まだ小さかった頃、姉はよくそう言って、聡の頭を撫でていた。
「聡はお姉ちゃんの言うこと、ちゃんと聞いてくれるもんね」
そう言い聞かせる姉の顔を、聡はいつも嬉しそうに見上げていた。
聡は姉のことが大好きだった。
本当に大好きだった。