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† 姫と剣 †
第5章 来賓

「姫…とりあえず、王がお呼びですので謁見の間へ」
それぞれの会話の合間を縫って、アマンダがルシアにそう伝える。
「私は、先に行っています」
微笑んだロイは、ローハーグの者たちに連れられて先に広間へと向かう。
その姿を見ながら、ルシアははぁ、と深くため息をついた。
「どう…なさるの?」
一部始終を見ていたシャロンはルシアの顔をのぞきこむ。
「………どう…するのがいいのかしら…ね」
視線の先のリューイはゆっくりと持っていた剣をしまっている。
この場で今何をどう思っているのか、リューイの心が覗けたら……
そんな事を思いながら、ルシアはギュッと目を瞑ったあと前を向く。
「とりあえず……来賓を待たせてはいけないから、行きましょう」
ルシアが歩き出すと、マヤとアマンダとリューイがそれに続く。
チラとリューイを見たルシアは廊下を歩きながら、咳払いをする。
「リューイ……」
「は」
「あなたは……ロイ王子との婚姻を…どう思う?」
ルシアの質問に、マヤもつられて切なげに顔を歪ませる。
「……やつのした事は許されません。が───」
「─────………」
「先程の言葉に嘘はない…ように感じました。姫のことを心から………」
リューイの言葉に、ルシアは軽く目を見開く。
「賛成……ということ…?」
核心をつくルシアの質問にリューイは軽く拳を握った。

