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† 姫と剣 †
第6章 アノア王国
以前としてウィルに唇を塞がれながら、ルシアは抵抗を続ける。
だが、体の大きいウィルの力は強く、かつ恐怖で思うように力が入らない。
簡単に両手を片手で抑え込まれて、体が露わになる。
ウィルはそのままルシアの腰を掴んでいる手を滑らせて、ルシアの肌触りをいやらしく確かめるようにして触れる。
「いやぁ……しっとりした肌だし、本当にいい体。ルシア姫、ロイはやめて、俺の妃にならない?」
「はぁっ……」
「あなたなら、毎晩でも抱いてあげるよ?」
再び近付くウィルの顔に、ルシアはぎゅっと目を瞑る。
しかし、唇は重ならない。
そして、その瞬間、ヒュッと空気を切る音がして、ルシアは恐る恐る目を開けた。
ウィルの顔のそばに突きつけられた剣。
だが、ウィルは慌てる様子はなく、剣を突きつけている相手をじっと見つめる。
「君は……確か…」
「っ…リューイっ…」
すぐさまその場に乗り込んだリューイは、一糸まとわぬ姿のままのルシアからすぐに視線を外すと、怒りでわなわなと震えながら、ウィルをきつく睨みつけた。
「……姫から手を離せ」
いつになく低い声が響く。
だがウィルは、ちぇっとわざとらしく舌を打つと、ルシアに向き直ってこの期に及んでまだ微笑みを向ける。
「続きはまた今度…かな」
「っ……」
やっと解放されたルシアは、その場にしゃがみ込むと、床に落ちた布を拾って、それを羽織る。
「姫っ……」
慌てて駆け寄ったリューイは、自身のマントを外すと、さらにそれをルシアの体にかけた。
「ごめんなさい…っ……わ、私、まさか……っ」
ルシアの激しい動揺に、少し上気した頬、そして赤くなった唇を見て、リューイは剣を握る力を強くすると、再び立ち上がってウィルに向き直った。