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† 姫と剣 †
第7章 決意


しばらくして少し落ち着いたルシアは、ゆっくりとリューイから体を離し、腕を掴んだままリューイを見上げた。



涙に濡れた瞼。


その艶めきにリューイの心拍数が上がる。




「リューイ……お願い。教えて」



「…………何をですか」



「私とあなたは……昔出会っていたの…?」




突然の質問に、リューイの瞳が少し揺れる。


そして、また目を逸らそうとするのをルシアは追った。




「なぜっ……なぜ隠すの……?」




依然として口を割らないリューイを、ルシアはじっと見つめる。




「丘の上……突然雨が降り出して、あなたに連れられてあなたの家に行ったあの日」


「………………」


「あなたは……幼い時にある約束をしたって…そう言ってたわよね」



当時の暖炉前のリューイの姿を、ルシアは鮮明に思い出せる。


先がないと分かっていながらも、胸が鳴り止まなかったあの日……────


そして、誰との約束なのか、と疑問に思い、それを問うた。




「深い緑の瞳に金色の髪………『私に似た少女だった』って」



もちろんリューイはあの時、ルシアがまさかローハーグの姫だとは思ってもみなかっただろう。



───────── その約束を果たすため…俺はもうすぐここを発つ


───────── リューイ……発つって…どこに…



───────── 『遠いところだ』




当時のリューイの言葉に、胸が締め付けられたのを思い出す。



でも……



「数日後、成人の儀にて護衛の騎士として現れたのは……あなただった」



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