この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
† 姫と剣 †
第1章 お忍び



「いつもここにいるけど、お仕事はいいの……?」


「暇人みたいな言い方だな」


「そういうつもりはない……けど」



風が吹いて、ルシアの頭に巻いている布が捲れる。


そして、現れた輝かしい金色の髪が靡いた。



「今、休暇中なんだ」


「そうだったのね」



シン……と静まり返ると、リューイが体を起こして少し落ち込んでいる様子のルシアを見つめた。




「どうかしたか」


「いや、あの……。貴重なお休みなのに、ここ最近毎日邪魔しちゃって……なんだか申し訳無くなってきちゃった」



ゆっくりとリューイの方を見ると、自分の方に手を伸ばしているのが分かった。


再び時が止まったかのような空間。


じっとその茶色い瞳に囚われて身動きが取れない。


そして、リューイの手が、ルシアの頬を────通り越して、先程風でめくれた布を掴んだ。




「………りゅ、リューイっ…?」



ルシアの布を掴んだリューイは、そのままそれをルシアの頭に被せる。




「ちょ、ちょっと……っ」


「雨だ────」



そうリューイが呟いたのと、ルシアの手の甲に雨粒が落ちたのが同時だった。



「雨……?」


「強くなりそうだ」



スッと立ち上がったリューイは目を細めて雨雲を見つめた後、まだ座っているルシアに手を差し出した。



「行くぞ」


どこへ…?と聞くよりも前に、ルシアはリューイの手を握った。


そして軽々しく身体を上げられると、そのままの状態で引っ張られた。



「ちょっ…リューイっ…!?」



ゴロゴロと空が唸って、激しい雷の音が響くと、ルシアが悲鳴を上げた。
/315ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ