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† 姫と剣 †
第7章 決意
しばらく、二人の間に沈黙が続いた。
そんな中、溢れそうになる涙を必死に堪えながらルシアが口を開く。
「それで…本当にいいと……おもう?」
無意味な問答。
もちろん、彼の答えは…
「姫がそれで良いのであれば…良いと思います」
冷静な眼差し。
曇りもなく、ただひたすらに自身の信念を貫くリューイの様子に、ルシアは体から力が抜けるのを感じた。
望んだ答えはもらえない。
分かっている。
「そうね」
ふふと無理に笑ったルシアを見て、リューイは扉へ向かう。
「今日はもう遅いので。失礼いたします」
「…ええ。遅くまでごめんなさい」
「いえ」と返事し、背中を見せたリューイに、ルシアは駆け寄る。
そして、リューイの背中に額をつけて、軽く寄りかかった。
「ごめんなさい」
扉のノブを掴みながら、リューイは背中に寄りかかるルシアの重みを感じる。
「試すようなことをして、不快だったわよね」
「──────…」
「あのね、リューイ。私やっぱり、あなたが好き」
まっすぐなルシアの言葉にリューイは目を見開いた。
そして、その言葉が胸の奥深くへと入り込んで行く。