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† 姫と剣 †
第7章 決意
部屋の外の廊下。
リューイは腰を下ろし、膝に肘をつけ頬杖を付いている。
窓から差し込む月明かりが作る自分の影を辿りながら、思いを巡らせていたその時。
「っ……あぁ…っ…はぁ……っ」
部屋から聞こえていたルシアの艶めいた声に、リューイは目を大きく見開くと、顔を上げて扉をじっと見つめた。
「────────……っ」
─────────── 俺がずっと側にいる。
─────────── それにここにいたら、部屋の中の声が聞こえてくる
ロイの言う通りの状況に、歯を食いしばったロイは、無意識に胸の辺りで服をぎゅっと掴んだ。
分かっていた事。
自分は騎士で、彼女は姫で………
昨日の優しくも切なく笑ったルシアの表情が頭に浮かぶ。
──────────── あのね、リューイ。私やっぱり、あなたが好き
思い出されたルシアの昨日の言葉が、今扉の向こうからのルシアの甘い声でかき消される。
──────────── お前にとってそれは……あまりにも酷だろう
──────────── ここにいてあなたは辛くない…の…?
「………想像以上…だな…っ」
ぽつりと一人でそう呟いて、頭を抱えた。