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† 姫と剣 †
第7章 決意
当時のルシアの熱っぽい視線と、唇の感触を思い出して、リューイははぁ……と深くため息を吐いた。
今となっては…
その彼女がルシア本人であったのだから、本当に滑稽な話、だ。
「ぁぁっ……ん……はぁっ…」
「───っ…………」
絶え間なく聞こえてくるルシアの喘ぎ声に、リューイは目をぎゅっと瞑った。
一体……何をされてそんな甘い声を出しているのか。
意識するのをやめようと思えば思うほど頭の中でルシアの艶いた視線が再生させる。
さらには、昨日、湯浴み処での騒動で、チラと目に入ったルシアの体のせいで余計に光景が浮かんでしまう。
何かの拷問だろうか……
体がバラバラに壊れてしまいそうな感覚に、全身に力が入る。
これならまだ本当に拷問を受ける方がまだマシだとさえ思えてくる。
「はぁ……くそっ」
ため息をついたリューイは、思わず耳を塞ぎながら、強く奥歯を噛み締めた。