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† 姫と剣 †
第8章 刺客


以前の奇襲よりも、人数が多い。


アノア兵の格好をしているが、正体は分からない。


剣を敵に向けたリューイの号令を合図に、兵士たちは敵に向かって馬を走らせた。



「敵の狙いは姫だ! 命をかけてお守りしろ!」



声を上げながら、剣を振るうが、鋭く飛んでくる矢にやられて兵士が倒れて行く。




「っ……────────」




以前同様、相手は手強い。


それに、同じ衣服を纏う敵に、こちらのアノア兵が戸惑っており、迷いを見せるせいで完全に圧されている。


すばやく剣を仕舞ったリューイは、今度は弓を構える。


絶対にルシアを守る────



引いた弓から、シュッと音を立てて放たれた矢が敵に当たって馬から落ちる。


額に汗を滲ませながらも、リューイはまだ距離のある敵を討つべく冷静に矢を射っていた。




「ッ…リューイ!」



飛び交う矢を避けながら、同じく弓矢での攻撃を続けるリューイの背後をルシアは馬車の窓から見つめる。


またリューイが怪我をしてしまったら……


そんな不安にまみれながらルシアは手に汗を握る。


遠目で、ローハーグ兵だけでなく、宮殿からついて来てくれたアノア兵が敵からの攻撃を受けて次々と落馬していく。

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