この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
† 姫と剣 †
第8章 刺客



「次は……何をしたら?」



流血が止まらないルシアの顔色が悪い。


その様子にリューイはグッと歯を食い縛る。




「こいつを助けたければ…」


「─────────」


「死んでいただけますか?」



その要求に、リューイは大きく目を見開く。



「貴様っ…! バカなことを────」


「────そしたら、リューイは助けてくれるの?」


「ええ。約束しましょう」




敵将は、顎で背後の兵士に「行け」と指示を出す。


指示を受けた手負の兵士が敵将の背後から、よたよたと1人ルシアに近付く。


そして、先ほど飛んで行ったリューイの大剣を拾い上げた。




「あら……その剣で斬ってくれるの…?」


「姫っ……! やめてください!!!! そんな──」


「──リューイ、ごめんなさい」


「っ…………」



いつもの優しい笑みにリューイは息を飲む。



「自分が死ぬより、あなたを失う方が……私には辛いの────」



ルシアの瞳から、一筋の涙で落ちて頬を伝う。



「ルシ…ア姫っ……!」





ふぅと息を吐いたルシアは、鋭く敵将を見つめる。




「死んでしまった後では、リューイが解放されたことが分からないわ。私を殺すのは、その手を離してからよ」



敵将は、フンと笑う。


無論、リューイも助ける気はもともとない。


いくらローハーグ一番の騎士といえども、今は丸腰。


ここで手を離したところですぐに殺すことなど容易い。


それにここからの距離では、手を離してもルシアを助けに行くのは叶わない。


/315ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ