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† 姫と剣 †
第8章 刺客
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ローハーグ、宮殿裏。
まだ小さなシャロンの手を握りながら、少女ルシアは奥に広がる森を見つめる。
「おねえさまぁ……?」
森から、奇妙な風が吹いて、ルシアとシャロンの身を包む。
ギュッと握る力を強めたシャロンは、真剣な眼差しで森を見つめる姉を見上げる。
「森に………いきたいの……?」
「…………いいえ」
ホッと息を吐くシャロンは、小さく「よかったぁ」と呟く。
宮殿裏奥の森。
そこには絶対に足を踏み入れてはいけない。
それは2人の父上であるローハーグ王に日頃からきつく言われていること。
ルシアもそれは分かっている。
行ってはいけない。
だから行かない。
でも、何故か、体が引き付けられるような、そんな感覚がいつもしてしまう。
森が呼んでいる ─────
いや……そんな訳はない。
それに行くのは危険だ。
なぜなら、
ローハーグの森の奥には、凶暴な生き物と
そして、
魔女が─────
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