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† 姫と剣 †
第8章 刺客
アノア宮殿。
あれから、気を失ったルシアを連れて、リューイたちは再びこの宮殿に戻ってきていた。
そして、ルシアの眠る部屋の中、ソファーに座ったイーサとロイ、そして壁に寄りかかったウィルとリューイが会話を続ける。
「…………では、これは二度目の奇襲、ということか」
ロイの言葉に、リューイはコクリと頷く。
顎に手を当てたイーサは、うむ…と唸る。
「アノア兵士の装いだったが、おそらくあいつらは────」
「───ローハーグ兵だね」
イーサの言葉を阻んだウィルの言葉に、ロイは、はぁとため息を吐いた。
「イーサお兄様ならまだしも、ウィルお兄様にそんなこと分かるんですか」
「分かるよ!」とウィルが微笑む。
適当感が滲み出ているが、言っていることにおそらく間違いはない。
「だって、別に弱くないロイが気圧されてたから」
ウィルの発言に、ロイは呆れ顔を見せる。
「………どういう意味です」
「んー? いや、ロイより強いってことはローハーグの騎士かなって思っただけだよ」
ガクと項垂れたロイは言い返す言葉もない。
そして、チラとリューイを見ながら、以前リューイから受けた肩の傷を無意識に触れた。
「それに、そこの剣士さんも手こずっていたみたいだし。つまりは、最強武力と名高いローハーグ兵かなって」