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† 姫と剣 †
第8章 刺客
「大丈夫です」
「……よかった」
顔をくしゃりと崩して喜ぶルシアの表情に、リューイは少し顔を赤らめながら項垂れた。
「もう少し…ご自分の心配をしてください……っ」
ふふとルシアが笑う。
「あなたに言われたくない」
「………なぜですか…」
「だって、この前リューイが怪我した時は3日も寝てたのよ?」
当時のことを思い出したルシアは少しムッとした表情を見せる。
「それに比べて私は半日だし全然平気!」
「…そんなことは比べることではありません」
「そ、うかもしれないけど!」
些細なことを言い合う2人を見ながら、マヤとアマンダはクスクスと笑う。
さらにその奥で、2人の会話を聞いていたロイは、ソファーから立ち上がると、ルシアに声を掛けることなく、イーサとウィルを連れて部屋を出た。
チラと背後を見て、王子たちが部屋から出て行ったのを確認したリューイは、咳払いをすると、「とにかく」とルシアをじっと見つめる。
「今はゆっくり休んでください」
見つめ返したルシアは、ゆっくり頷いた後、リューイから視線を外してマヤとアマンダを見る。
「ごめんなさい…。しばらくリューイと2人にさせてもらえる?」
「はい、もちろんです」
2人は頭を下げると、そのまま部屋から出て行った。