この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
† 姫と剣 †
第9章 記憶


「リューイ………」




何か言いたげに、ルシアはリューイの名を呼ぶが、そのあと軽く笑いながら顔を左右に振った。




「ごめんなさい、なんでもないの」


「………………」


「今日は休むわ。話してくれて……ありがとう」




正直、まだリューイの話を飲み込めていなかった。



何かの物語を聞かされたかのような感覚で、まだ自分事に思えていない。



でも………




「覚えていないけど……あなたのせいじゃない」



扉まで足を進めたリューイは振り返ってルシアをじっと見つめる。





「事故だったのよ。だから、自分を責めないで」



「姫………」




頭を下げて、グッと奥歯を噛んだリューイは、そのまま「失礼します」と言って部屋を出た。




部屋を出て、扉を閉めたところで、扉の隣の壁に寄りかかって腕を組むロイの姿が目に入った。



ロイも顔を上げてリューイのことを見つめる。



そして片眉を上げると、はぁ…と深くため息をついた。




「ここは……中の声がよく聞こえるな」


「…………………」


「昨夜……よく耐えたな」




ロイの言葉に返事をせず、リューイは扉の向かいの壁に寄りかかった。


しばらく、2人の間に沈黙が流れる。



互いに何か言いたげで、それでいて、何も言わない。



痺れを切らしたのは、ロイの方だった。





「………魔女だなんだと言っていたが…」



「盗み聞きとは趣味が良いな」



「フィアンセが男と2人部屋の中にいたら、気になるのが普通だろう」






/315ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ