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† 姫と剣 †
第10章 覚悟


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帰国前、アノア宮殿の部屋の中。


二度目の帰国の準備を進めていると、ルシアの言葉に、マヤとアマンダが「えーーーー!!!!」と大きな声を上げていた。




「っ……ちょっと、そんなに騒がないでよ…」



「ル、ルシア様こそ!! そんな大切な事をサラッと言わないでくださいよ!!」


「そうですよ!」




ちょうど今、ロイとの結婚をやめた旨を伝えたところ。


大騒ぎするのは目に見えていたので、出来るだけ何の気なしに伝えようと思ったのだが、それでもこの始末…


はぁ、とルシアがため息を吐くと、ドアがコンコンと音を立てる。




「はい」




ルシアが返事をすると、「失礼します」と言って扉が開きリューイが姿を現した。




「………どうか、した?」


「いや……マヤたちが叫んでいたので、何かあったのかと…」




心配で部屋の中を見渡すがもちろん敵襲はない。


ひとまず安心していると、マヤが涙目で「リューイ…」と呟いた。




「……どうした」


「ちょっと聞いてよ! ルシア様ったらロイ王子との結婚、断ったって……」


「───────……!」




「あぁぁぁ!」と続けて声を漏らしながら頭を抱えるマヤを尻目にリューイは目を見開いてルシアを見つめる。


だが、ルシアとは目は合わない。


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