この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
† 姫と剣 †
第10章 覚悟
門をくぐって、ようやく馬車が止まる。
慣れた空気、
慣れた街並み。
異国情緒は心惹かれるが、やはり祖国が一番心が休まる。
祖国に足を下ろしたルシアは、見慣れた宮殿を見上げた。
同じく馬車を降りたマヤとアマンダが後ろに続く。
「はぁ〜〜〜やっぱりローハーグが一番!ですね!ルシア様!」
「そうね」
久々の祖国に喜ぶマヤにルシアは笑みを返す。
「ルシア様、長旅でお疲れですよね? 一旦休まれます?」
「いいえ。その前に、お父様とお話しないと」
今回のアノア滞在の報告をしなければならない。
それに…
「疲れている中、申し訳ないけど…リューイも来てくれる?」
振り返って、リューイにそう伝えると、リューイは「はい」と返事をして頭を下げた。
帰国早々ルシアは、ローハーグ王の場所へと向かっていた。