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† 姫と剣 †
第10章 覚悟
「何より…お前は自由だ。結婚は…お前がいいと思った相手とするがいい」
王の言葉に、ルシアは小さく拳を握る。
好きな相手と…
それは身分が違ってもいいということなのだろうか…。
未だに跪いたままのリューイを背後に感じながら、ルシアはまた力強く顔を上げた。
「それにしても…お前の命を狙う勢力とは一体…」
手がかりの少ない相手。
狙われるのは王族の常。
だが、内部というのが納得がいかない。
それに…
今のルシアは、それよりも知りたいことがある。
「お父様……あと…知りたいことがあります」
「知りたいこと…」
ぎゅっと胸の前に手を当てて、ルシアは少し様子を見ながら、父を見る。
「私の過去…です」
案の定、ルシアの言葉に王はさらに目を見開く。
「なぜ…それを…」
そしてすぐにルシアの背後のリューイに視線を移した。
「リューイは悪くありません。私がしつこく聞いたんです」
「……………………」
「それに、私自身の過去…です。知って悪いことはないはずではないですか?」
ルシアの尤もな言葉に、王は、目をそらす。
やはり、反応からして父も知っている。
そう感じたルシアは、さらに前に踏み出した。