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† 姫と剣 †
第10章 覚悟



天からの光がまばゆい。


リューイはルシアをじっと見つめた後、頭を下げる。




「お約束通り……父を連れてまいりました」



リューイの背後から、1人の男が現れる。


リューイと同じ亜麻色の短い髪。


そして、少し蓄えた髭に、鋭い眼光。




「リューイの父、アース=ランドルトと申します」



「……わざわざ赴いてくださり…ありがとうございます」




頭を下げたリューイの父は、あまりに聞き覚えのある声にハッとして、顔を上げた。



そして、花畑の中のルシアの姿に、アースは大きく目を見開く。



ちょうど風が吹いて、ルシアの長い髪が靡いた。


陽の光を受けて、金色の髪がいつも以上に輝く。


深緑の瞳に、白い肌────────





「エステル様……っ…」


「え……?」




アースの記憶の中の王妃、つまりはルシアの母と、ルシアがあまりにも瓜二つであることに驚いて、アースはその場で膝をついて涙を流す。



アースに駆け寄ったルシアも、視線を合わせるようにしゃがみ込む。




「すみません…っ。あまりにもエステル様に…似ていらっしゃったので」



どことなく、リューイに似たその面持ち……




「……ルシア様ですね」



「ええ」



「なんと…ご立派に…」




再び目に涙を溜めるアースに、リューイも同じようにしゃがみ込んだ。



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